君影草は誠を乞う
私はこれからどうしていけばいいのだろう。
また振り出しに戻ってしまった。
……あの時のように。
ーッブル
一瞬で体中に寒気がはしる。
「…はっ、未だに引きずっているのか。
……クソ。」
自分を嘲笑した後、
吐き捨てるように悪態をはく。
すると辺りが柔らかな光に包まれる。
朝日が昇っていく。
いつの間にか、夜が明けていたのだ。
朝日をここまでじっくり拝んだのは、
いつぶりだろうか。
「……綺麗…だな。」
自然と溢れた言葉が、
誰もいない真っ白な世界に
溶けるように消えていく。
「_…よし!」
私は自分の頰を両手で強く叩き
自分に喝を入れる。
ヒリヒリと少し痛む頰が、
後ろ向きな想いを飲み込んでいく。
「大丈夫。」
そう自分に言い聞かせて
朝を迎えた町へと、
足を進めていくのであった。