君影草は誠を乞う
お市ちゃんは、私を見て驚きのあまりか、
呆然としている。
少し頰が赤くなった気がしたが、
きっと気のせいだろう。
「菊、この方は?」
「今日からここで住み込みで働く
椿木 伊織ちゃんだよ。」
「えっ今日から?!」
「そうさ。さっき話しをしたところだよ。」
「さっき!?」
「はい。突然申しわけありません。
よろしくお願いします。」
お菊さんの旦那さんは、
頭を押さえると少し戸惑ったように
私に話しかけた。