君影草は誠を乞う


「伊織くん…どうかしたの?」

私は頼まれていた食器洗いをする中
お菊さん達に
初めて会った日の事を思い出していると、
お市ちゃんは心配そうに私の顔を覗く。

「ちょっと
お菊さん達に初めて会った日のこと思い出してた。
…ごめんね、
あの時素性も知れない奴と
いきなり暮らすことになって
…本当はイヤだったでしょう?」

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