君影草は誠を乞う
「急に連れてきたすまなかったね。
私は新撰組局長の近藤勇という。
君は…」
「椿木 伊織と申します。」
「今日は、
君に感謝したくて連れてきてもらったんだ。」
「えっ、か…感謝?」
この人今感謝って言ったよね…
じゃあ
「何で私縛られているんですか?!」
「多分これは総司のいたずらかな?
よほど君に逃げられだのが
悔しかったのだろう」
いやいやいやいや、
『いたずらかな?』じゃないですよ!?
なかなか痛いんですからねこれ!?
こうなったら……
「ってことは、
もう縛られている必要ないですよね?」
「ああ、当たり前だ。
そもそも縛られる理由はないよ。」
スルッ
『えっ?』
「良かった、
これで解いても何の問題もないですね。」
そう言った私は、
私を拘束していたはずの縄を解き
見せ付けるように顔の前に持っていく。