君影草は誠を乞う
「と、ところで感謝とは何のことですか?
全くもって心当たりがないのですが……。」
総司がこちらを
ものすごい形相で睨んでくるので
私は話題を戻すことにした。
「ああ、
実はね、君がこの前倒した浪士だが、
やつらは、いま巷を騒がしている盗賊らでね。
君のおかげで確保することができたのだ。
本当にありがとう‼︎」
「は、はぁ。
でも私は襲われそうになったから
(気晴らしを兼ねて)倒しただけであって、
べつに感謝される事じゃないですよ。」
「まぁそうだとしても結果的に巷の不安を
拭ってくれたのは君だ。
京の都を守護するものとして感謝を伝えたかったんだ。」