君影草は誠を乞う

私の声の違いに気づいたのか、
近藤さん達は少し口ごもった。

しばしの間沈黙が続く。


「…とりあえず新撰組入隊については
また日を改めた方がいいだろう。
今日はもう遅い。」

そんな沈黙を破ったのは
土方さんのそんな一言だった。

窓から見える空を見ると
ほのかに暗い闇が広がっていた。

「そうだな。
伊織君、新撰組入隊に興味があったら
また来てくれ。
長い間時間をとってしまってすまなかったね。
夜道は危ないから……」

「いや!一人で帰れます。
お気遣いありがとうござます。」

近藤さんの話を途中で遮ったのは
近藤さんの話の続きはきっと
「総司送ってあげなさい」
的な事の可能性が大だからだ。

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