君影草は誠を乞う
「ふぅ…危なかった。
冷静さを欠いたガムシャラな攻撃だと
思っていたが…
まさか刀を折りにきていたとは…。」
男は気の抜けたように息を吐くと、
地に伏した私を見つめる。
「ここで殺すのは少し惜しいな…。
どうしたものか…」
顎を押さえて考えような仕草を見せる男。
そんな中、吹き飛ばされた際
壁に頭を強打した私は
意識を途切れさせないようにするのが
やっとだった。
男の蹴りをまともに受けた左腕は
恐らく骨が折れている。
_無力だ。
こういう時に
どれほど自分が無力であるかを思い知らされる。
今私に出来る事は
男を睥睨することのみ。