君影草は誠を乞う
哀傷


戸を開けると

聞こえくるのはいつも温かな声だった。



ーー伊織ちゃんお帰り。

ーー伊織くんお帰りなさい。

ーー伊織くん、お帰り!!



そして

いつも

当たり前のように答える。



『…ただいま!!』

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