× × ──Grim Reaper──
スマホをポケットに戻し、動かない屍を見た。
服は赤黒く染まり、片方の腕は変な方向に曲がっている。
そして目立つのが──、
深い傷跡のある、首元。
鋭い刃で抉られたような跡が、縦長に伸びている。
コレをやったのは、紛れもないボクだ。
抵抗なんかない、ただ無心に殺って終わり。
毎回、同じ事を繰り返すだけのつまらない事。
───本当、つまらない。
月明かりの下、ボクは狭い路地裏を後にした。