続・オトナになるまで待たないで

飛んできたトンちゃん

トンちゃんは、さっそく飛んで来てくれた。

「富田だけに!」

「は、は、は、あは、」


笑っとけ笑っとけ!

迷惑かけたんだから!


「お久しぶりです。心配かけ…」

「おひさしぶり~ふ~」


ダメだ。

笑いが出ない。



代わりにゴウが突っ込んだ。

「トンちゃん、ブリーフなんて履かへんやん」

「履かない履かない。あんな夢のナイもの」


突然、ゴウがトンちゃんのスラックスを引っ張った。

「ぎゃーっヘンタイ!」

トンちゃんが慌てて、スラックスを押さえる。


み、見えた…!

今、なんか、オレンジ色のピらピらしたものが…!!


「お、おおお女もの履いてんの!?」

「そうだよーん。今事故に遭ったら、救急隊員もビックリ」

「キツくないの?」

「そのキツさがいいんだよね~なんつって!」


なんつって、じゃないよ……

昼間ッから、こんなとこで……


これで弁護士だっていうんだから、信じられない。


話が込み入ってるので、ホテルの一室をゴウが借りてくれた。


「お金は?そうだ!トンちゃんに払うお金も!」

「エエから、エエから」

「ゴウが払ってんの!?だ、ダメだよ!」

「正確にいうとオカンや。ウチとこがやりたくて、やっとんねん。海に任せとったら『別にいいです。何でもいいです』で終わりやんか」

「お、おかあさん!?おかあさんが払ってる!?」


トンちゃんが口を挟んだ。


「この出張費は要らないよ。毎年、この時期は大阪と京都旅行するから、ついでにね、ついでに来ただけ」

「とにかくさ、今日のホテル代は……!」

「そんなん!会計がややこしなる!」

「海ちゃんが、今やらなきゃいけないことはね、そこじゃないから」



そんなあ………

そう言われちゃうと、どうしていいか分かんないよ。


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