続・オトナになるまで待たないで
「どこに置いたらええ?」

「あ、それはこっちです」

「こっちやな」


さりげなく、入荷数のチェックしてるよ!

ああ、ゴウに教えたい!


それにしても

なんてテキパキしてる人なんだろう。


今まで緊張してよく分かってなかったけど、

オーナーなのに全然偉ぶってない。


偉ぶってないのに、

絶対に並みの人間じゃないって分かる。


すべて見通している感じ。


こういう人、知ってる。

ゴウのお父さんもこんな感じだった。



「ひっっっ……!」

の声で振り返ると、

キッチンの入り口に千鶴ママが立っていた。



顔面蒼白。


「おはよう」


オーナーが表情も変えずに言った。


「お、おはようございます」

信じられないくらい、小さな声。


お世辞言うことも忘れちゃってる。



ああ!

ゴウにこの顔見せてやりたかった!!

< 37 / 102 >

この作品をシェア

pagetop