続・オトナになるまで待たないで
銃剣

帰省

新幹線だー!

嬉しい!

前回は、夜行バスで来たけど、今回は新幹線に乗っちゃった。


働くのは大変だけど、こういう自由は大人にならないと味わえない。


「千葉で、拝んでもらってくる」

って、ゴウに言ったら驚いてたな。

「大丈夫?お金足りる?」

って、昔のゴウの顔に戻って心配してくれた。


最近いろいろ有りすぎて、アタマがこんがらがったよ。

お寺で拝んでもらったら、心が静まりそうな気がしない?

ゴウは「寺も神社も見飽きた」って言うけどね。


そんなことより、アタシ、駅弁を買いますから!

買っちゃいますから!


お?

大阪限定?

いいじゃーん。


弁当を会計した、瞬間だった。

「すみません。◯◯テレビのものなんですけど」

と、声を掛けられた。


え!

取材してるのは気づいてたけど、まさか話しかけられると思わなかった。



「ちょっとインタビューさせてもらってもよろしいですか?」

よろしいですかって、もうインタビューする気満々じゃん。

くい気味じゃん。


「あー、はい・・・」

「そちらのお弁当は手に取られた要因はなんですか?」

「大阪限定っていうのにー・・・ハイ」

「惹かれたんですね!」

「ハイ」


その後もいろいろ聞かれたけど、

よく分らないうちにインタビューは終わった。


「必ずではないですけども、夕方のニュースで流れるかもしれません」

「おお」

「カナラズはないです」

「ハイ」


こりゃ流れねーな。

このテレビ局は、関西ローカルなのでゴウなら見れるかもしれない。

でも仕事中か。

じゃ、いっか。

もうホーム行こう。


正直、テンションが上がりすぎて、私はこのことをスッカリ忘れてしまった。
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