続・オトナになるまで待たないで
「また来てはるで」

と、ヘルプ常連のネェさんが教えてくれた。


「え~~~何で?」

と、言いつつフロアを見る。


いるよ。

またいる。

ゲン様だ。


「あの人、もう仕送りないんやんな?」

と、最近スムーズに出るようになった言葉で聞く。

「ないハズやで。ぶーネェが言うてたもん。『ぜんぶ、うちが養ってる』て」


今朝、ゴウともその話をしたばかりだ。

「あれから毎日来るけど、支払いどうしてるの?」

「現金払いやけど、足らへんこともある」

「足らない時どーすんの?」

「それやねん。次に払うてくれはるけど、意地みたいにたくさん持って来んねんか。最近はもう不足分言うんもキツイわ・・・」

ゴウの顔色も暗い。

ゲン様が働けるハズがない。

しのぶネェさん、痩せちゃってたもんな・・・。

本当は、ホルモン剤打ってるんだか太らないとオカシイのに。


グラコロネェさんも心配して、しのぶネェさんと連絡を取ろうとするんだけど、

「他行くんやったら、レッドタスクに行ってくれたほうがエエ」

と言うばかりで、まともに話が出来ないらしい。


「休みに会おうや言うても『ムリやなぁ。休みないもん』て」

「そんなの、体壊しちゃうじゃん」

「かと言って、離婚もせーへんやろ」

どうしようもないまま、日々は過ぎてゆく。


そんなの愛なのかな?

ゲン様は、人間に愛情なんて持てる人なのかな?

・・・破滅しか見えないんですけど。
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