続・オトナになるまで待たないで
子犬系男子

人手不足

ゲンさまに構う余裕がない。

マジで忙しすぎる!


そんで、客の種類っていうのかな?

それが変わったよね?

夏休みのせい?

すごい客の年齢層が下がった。

そして、忙しい割に単価も下がっていた。


「もう私一人じゃ作るのムリです・・・」

と、だいぶ前からゴウには言っている。


「そやなぁ。求人はかけてんねんけどなぁ」


何人か入ったけど、

一人は70代のオッチャンで過去の仕事の話ばかりで手が動かず、とうとうグラコロネェさんに怒られ、

「今どきパワハラ言うんは古いですよ?ま、ワテは現場監督してたさかい慣れてまッけど。ちなみに心斎橋のアレ作ったんワテでっせ?」

と言いつつ辞め、

もう一人は「腰がヤられた。こんな大変と思わなんだ」と言って、

もう一人はシングルマザーだということだったが、

「子どもの喘息がキツイから」と言って辞めた。

辞めた後もパチンコ屋に入り浸っているのを

うちのネェさんが見るという。


つくづく、ネェさん達を尊敬する。

そりゃ訳わかんないバカもいるし、

メンタル弱いなーって人も多いけど、

ホルモンバランスが常に崩れてる中で、なんとか仕事してる。

誰にも甘えようがない、背水の陣で生活してる。


それに比べて、このフツーと呼ばれている奴らは・・・

忙しすぎてムカムカしてきた。

ラーメン、大盛り食べて帰ろ!


ラーメン屋に向かう途中、駅のエレベーターの上りに立っていた。

見たことのある人が、反対のエレベーターで下へゆくのに行きあった。


しのぶねぇさん!


私に全然気づかない。

目が・・・シんでんじゃん・・・


と、とにかく声だけかけてみよう。


下りのエレベーターへ乗り直して、駅から外へ出た。

・・・どこだ?



居た!

「シノッッ・・・!」

まで声を出して止めた。


誰かと待ち合わせていたらしい。

こちらからは顔は見えない。

相手はずいぶん歳上のオッサンに見える。

知らない相手だ。


相手のオトコが歩き出し、後ろをネェさんがついて行く。


アレって・・・


見たことある。

大阪に来た時、レッドタスクまで案内してくれたオッチャンが、教えてくれたじゃないか。


―これからエエことしはんねや―
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