続・オトナになるまで待たないで
クリスマスで、どの店も人でいっぱいだ。

歩きながら話そうとしても

松井さんの声がサッパリ聞き取れない。


「はぁ~~~」

思わずため息が出る。


一体、なにをどうしたら良いんだ?

今日、むっちゃ寒い。

いい加減、疲れた。

もう、こんなビジネス街まで歩いて来ちゃったし。

あれ、ここ前に来たことあるな。


このビジネスホテル、

ゴウとトンちゃんと来たところじゃん。

ここにあったんだ。


思わず、フロントへ向かっていた。

「おいっ」

松井さんが戸惑ったように言ったけど、

無視してフロントマンに声を掛けた。

「部屋、空いてないですか?」

「申し訳ございません。あいにくと、本日2名様でご宿泊できるお部屋は満室となっております」

「じゃあ、1名なら?」

フロントマンは、ホッとしたように

「シングルのお部屋でしたら、ご用意できます」

「じゃあ、お願いします」


後ろで松井さんは、動揺しているっぽい。

でも別に静かに話せる部屋があればいいじゃないか。

ラブホテルってわけじゃないし。

第一、もう寒くて外に出たくない。


鍵を受け取った。

「二階ですって」
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