続・オトナになるまで待たないで
ちょっと小さめだけど美味しいタコ焼きを食べた後、向かったのはそこから歩いて15分くらいの場所にある、飲食店街だった。

どこも大きな看板を掲げてるわりに、道幅は狭い。

東京でいったら、歌舞伎町なのかなぁ?
こっちの方が、もっとギュウギュウしてるけど。

そこかしこに脇道があって、オッチャンに

「下手に曲がったらアカン。危ないで」

と言われた。

オッチャンも、ここでは突然曲がったり漁ったりしない。

何が危ないんだろう?

普通の脇道……

へ!?


なに、あの人!

オッパイ見えてる!



60歳くらいのオバサン?

オジサンじゃないみたいだけど、

よく分からない人が、

オッパイ丸出しで、なぜか誰もいない場所に向かって、蹴りを繰り出していた。


「えいっえいっえいxっっkん」

みたいな声が聴こえてくる。


な、なんでこんな、そりゃ脇道だろうけど、人通りの多いとこで…………

「見たらあかんて」

「何ですか、アレ」

「ただのクルクルパーや。ちゃうねん。危ないって、そういうことを言うてるんとちゃうねん。詳しくは言われへんけど、色々あんねん」


アレが『危なくない』!?

あっそ!



「せやから、近道できひん。こうやって、回ってくしかないねん」


今、

私、

すっごい、

ブサイク顔してると思う。

だって………


本当にこんなとこに、ゴウがいるの?


あっと。

オッチャンとぶつかりそうになった。


「ここや」

アッサリとオッチャンが言う。


ここ……?



ドスンッ!!!


と、スゴい衝撃が体を襲った。


な、な、な


「ナンやねん!もう!!!」


背後の頭上から、絶叫が降ってきた。


顔を上げて、衝撃と絶叫の正体を見た。


「あ、ゴウだ」

「アホおおおおお!!!このドアホオオオッッッ!!!」

泣きわめくゴウに、がっちりハグされながら、私は満足げなオッチャンと低めハイタッチしたのだった。

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