続・オトナになるまで待たないで
三ヶ月後。

私は病院のベッドに逆戻りしていた。

ただし、大阪ではない。

紹介状をもらって、火事の後にお世話になった病院にいる。

明日、脳の手術をする。


トーマくんのご両親に挨拶できないまま、

慌ただしく入籍だけを済ませた。

(挨拶とお詫びの手紙を出したら、お祝いのお金を頂いた)


ついさっき、トンちゃんから連絡がきた。

「原さんが亡くなったって」


空は曇り空だった。

私がぼんやりと眺めていると、雲間から薄く光が降りてきた。


ー観音さまだよー


いつか誰かが言っていた。


「ありがとうございました」

そっと手を合わせた。
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