嘘はもう、
後ろから声がしてはっと振り返る。
そこにいたのは
「吉田くん!?」
ドラキュラのマントを持った吉田くんがいた。
「俺探してた?」
「…う、うん」
「ごめん!スーツ借りてて返しに行ってた」
「そうなんだ…」
なんだか雰囲気がソワソワしていて黙ってしまった。
私たちを包むのは温かい夕日の光。
床や壁がオレンジ色に染っている。
ぱっと吉田くんを見ると目が合った。
「…あのさ」
沈黙を破ったのは吉田くんのひとこと。
「琴華と話すようになって、まだ1ヶ月ぐらいなんだけど…
< 42 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop