嘘はもう、
「ドキドキした…」
小さな声でそう答えた。
すると手首を掴んでいた手がスルッと緩み、ふわっと全身を包まれた。
ふんわりと香る隼斗の柔軟剤の匂い。
温かい体温にもドキドキした。
「えっ?なん…」
「あー…無理もう」
…???
無理って何…
回らない頭で必死に考えた。
「…可愛すぎんだけど……」
耳元で呟かれた言葉に思わず、
「っ!」
ビクッと体がはねた。
「え?なに?ビクってした」
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