breath
私はコクンと頷く
「やっぱり」
って言う高宮主任、こういう展開にどうしてなっているのか私にはわからない
「浅野先輩のこと知っているんですか?」
「中……」
言いかけた時、警察の方を見送った母と渡辺課長が戻って来て話が中断
渡辺課長は高宮主任に目配せをして帰る合図をしている。
間もなく二人は帰って行く
二人の後ろ姿を見送り、母はベッドの横にある椅子に座る
「樹(いつき)くん、イケメンになっていてびっくりしたわ」
「樹くんって誰?」
「何言ってるの?中学校の前の住宅街に住んでいる高宮さん家の樹くんよ。知らない?」
「知らない」
あんなイケメン、知っていたら忘れるわけないし。お母さん何、寝言みたいな事言って言うんだろうなんて思っていると
「はぁっ?」
お母さんが、呆れたような目で私を見た
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