breath
「高宮とうとう、みんなの前で言っちゃったんだね」

すっごく、嬉しそうに言う美奈子先輩

「知ってたんですか……」
「亮介から聞いた」

早坂さんも口が軽いもんな……なんて思っていると

「これから、大変だね」
「大変?」
「そう」

食べていた箸を置く先輩。もしかして……あの人の名前出す?

「イケメンの高宮の婚約者だよ。ただでは終わらないと思わない?」

脅しともとれる、その言葉に固まる私。

「はぁ……」

溜息と共に返事をする。落胆

「不細工な早坂とは違って、明日美の婚約者はモテるから。恨まれないようにね」

ビビっている私を楽しむかのように、笑顔だからムカつく……。絶対、私をおちょくっている?

「例えば、藤崎とか……。ああいうタイプは自分の思い通りにならないと怖いよ……」

その名前でビクッと背筋が凍りついた。食べる気が失せた

食欲がなくなった私を見て

「ちゃんと食べなさいよ。これぐらい食べれないと負けちゃうわよ」

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