breath

午後からも仕事は滞りなく終わり、私はサッサと会社を後にする

就業時間が、他の人より30分早く終わるのは都合が良かった。帰りに藤崎さんに遭遇することもないから。

美奈子先輩の話を聞いて、恐怖を感じる私。

『今日は家に閉じ籠ろう』私は夕食の買い物もせず、速攻で家に帰る。

家に帰り部屋着に着替え、あったかいロイヤルミルクティーを飲んでホッとする。

「フッー、藤崎さんか……」

溜息をつきながら、思い浮かぶのは藤崎のこと。

私は彼女に恨まられるのかな……

それとも虐められる？

会社に居られなくなるのかな……仕事もやっと一人前にできるようになったのに、残念。転勤の多い樹さんと結婚するってことは、辞めるのが当然だよね

これから変わるであろう自分の環境の事を考えると憂鬱で不安になる

この数週間で急激に変わった私の環境。気持ちは前に進んでいるけど、心がその早さについて行けていない。その現実が胸に突き刺さった。