breath
そんな事、言われなくてもわかっている

ーーーというか……そんな現実を突きつけられたのは、今しがたですよ……専務、覚えてますか?

なんて言い返したいけど、想像するだけで止めた

「つまり……私がもっと強くなって、頑張っていかなければいけないってことですよね?」

という問いに

「ちょっと、違うかな。優秀な経営者の配偶者は内助の功で、夫を陰から支えている
だ。今の望月さんじゃできないだろう?」

その通りだと思ってコクンと頷く

「その為にも、僕の第二秘書をやってみないか?取締役達がどんな仕事をして、どんな人間関係があるかを学び、そして陰で支える。会社の事もわかって一石二鳥だと思うけど」

その話をきいて『やりたい!』って思った。

ただ、即決するには同居している樹さんの許可がいるのは明確な事で、返事は避けた。

「少し、考えさせてもらってもいいですか?」

専務はニヤッて笑いながら

「最初からそのつもりだよ」

と言った。

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