breath
「専務、そのうち耳に入ると思うので先に伝えておきます。」

樹さんは、じっと専務の目を睨むように見つめながら言った

「私は望月さんと結婚します」

そんな樹さんを見て、専務は肩で笑っている。専務、これって樹さんに対して失礼なんじゃないの?なんて思ってしまうのは、私だけだろうか……

「聞いたよ。でも樹、そんなことで大丈夫なのか?相変わらず隙だらけだな」

専務にそう言われて、ムカっとした表情をする樹さん。

絶対、怒っている……。そんな樹さんの表情を見たのは初めてだ

「樹、お前が今すべきことはそれじゃないだろう?優先順位を間違えると、後々響くぞ。わかっているのか?」

「ーーーーー」

未来の社長である専務に言われると、反論も難しいの?樹さんは唇を噛み締めて、堪えている。

「樹、お前の気持ちはわかった。とりあえず、結果を見せてくれ。結婚はその後でいいよな?自分の立場をわきまえろ」

冷たい口調で言う専務
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