breath
樹さんを抱きしめていたら、彼から伝わってくる体温が心地よくて、ウトウト眠ってしまう

樹さんが起きたようで、身体が動いた

私はその振動で目を覚ます

「おはよう」

いつもと変わらない顔で言う樹さん。昨日のことは大丈夫なの?………心配してしまう

「おっ、おはようございます」

私も挨拶すると、樹さんはおデコにチュッとキスをして、私を抱きしめる

「樹さん、ごめんなさい……」

樹さんの胸に顔を埋めながら、小さな声で言うと

「何で明日美が謝るの?仕事だし何も悪いことはしていないよ」
「でも……専務が樹さんに厳しい事を言わしたのは、私との結婚が原因だし」

私に絡まった樹さんの腕が離れ、覗き込むように私の顔を見つめる

「それは仕事で、俺が結果をださないから………」

樹さんはそう言い、『フッー』と軽く溜息をついた

「専務から聞いたんだろう?俺が従兄弟だって」
「はい。聞きました」
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