breath
「そんなのアリですか?」

そんな強引な事、会社として認められる?普通に思う疑問を課長にぶつけてみた

「普通は認められないよ。専務だからね。この会社で専務の派閥の勢いが凄いから、誰も何も言えないんだよ。ちなみに、この話はオフレコでね」

私と課長には、2年間という短い期間だけど、少なからず培った信頼関係がある。だから話してくれたのだと思う

「そうですか……」

たぶん、落胆しているのがバレたのか

「望月さん、どんな理由であれこれは栄転だから喜ぶべき事だ。そんな顔をしてはいけないよ……」

私を励ますように言ってくれるのは、わかっているんだけど、腑に落ちない私がいる

「それから、ロッカーは秘書課の物を使用するから、ロッカーの物も持っていってね」
「ーーーーはい………」

秘書課は機密事項を扱っているため、一般社員と隔離されている

つまり私は、これから島流しに会うのと同じ事になる。不安で胸が一杯だ
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