breath

「守る？何を……？」

明日美は戸惑っているようだ

「藤崎に話をして、明日美に関わらないように言う」

「でも、会社には婚約者だと届けていて両方の親も認めている。ダミーの彼女なら別に口出すこともないんじゃないですか？」

明日美の言っていることはもっともだ。

ダミーなら、それなりの振る舞いをすればいい訳だし

明日美から見ても、藤崎の行動に違和感を感じているようだ

俺は今まで隠していた本当の事を口にする

「ーーー明日美……ごめん……ダミーっていうのは嘘で、不倫相手もこのマンションには住んでいない。本当は普通に藤崎と恋愛をしていた」

俺は真実を言った

俺の中で藤崎に対しては恋愛感情はなかったが、ちょうど前の彼女と別れた所でセフレ感覚で付き合っていた

ただ、それだけの関係だった

明日美を見ると俺の方を見ている。目からは涙が沢山溢れていた

彼女の色白の白い手で涙を拭う菅を見てそそられてしまう俺

明日美が好きでたまらない