breath
周囲の音が全く聞こえないくらい、私は集中して彼の姿を追う
心のどっかで『こっちを見て欲しい』
本来なら私は彼の婚約者
携帯でサッと電話をして『ここにいるよ』って言えばいいだけなのに、それができない……
小心者なのか、仕事中の彼を邪魔をしてはいけない思っているのか……
いろんな邪念はあるけれど、私は一途な思いで彼の姿を見つめる
あれっ?彼が立ち止まった……
ーーーー私に気づいたのか、こちらに手を振っている
めちゃめちゃ嬉しく、感情が込み上げて目に涙が浮かんでくる
私が手を振り返すと、彼はこちらに向かって来て店内に入る
私のところに来た彼は
いつものような爽やかな笑顔を向け
「仕事終わったの?」
って聞いてくるので「はい」ととびきりの笑顔で答える
胸がコクンと鳴る
私は彼に何かを期待している
ーーーー彼は……樹さんは答えてくれる?
樹さんは何も言わない。ただ私といるこの空気を共用しているだけ
心のどっかで『こっちを見て欲しい』
本来なら私は彼の婚約者
携帯でサッと電話をして『ここにいるよ』って言えばいいだけなのに、それができない……
小心者なのか、仕事中の彼を邪魔をしてはいけない思っているのか……
いろんな邪念はあるけれど、私は一途な思いで彼の姿を見つめる
あれっ?彼が立ち止まった……
ーーーー私に気づいたのか、こちらに手を振っている
めちゃめちゃ嬉しく、感情が込み上げて目に涙が浮かんでくる
私が手を振り返すと、彼はこちらに向かって来て店内に入る
私のところに来た彼は
いつものような爽やかな笑顔を向け
「仕事終わったの?」
って聞いてくるので「はい」ととびきりの笑顔で答える
胸がコクンと鳴る
私は彼に何かを期待している
ーーーー彼は……樹さんは答えてくれる?
樹さんは何も言わない。ただ私といるこの空気を共用しているだけ