breath
私たちが向かったのは、ホテルの上階のレストラン

夜景が見える窓際の席に座ることができた

案内されたテーブルには【予約席】と書いてある

クリスマスイブなので、予約するのは容易くはないだろう

でも、私を喜ばせるためにしてくれているのだと思うと、嬉しい気持ちがこみ上げてくる

口元が緩んで、ニコニコ、いやニヤニヤかもしれない……表情が緩みっぱなしの私がいる

樹さんの表情は……

今日、こんな場所で別れ話はないよね……例えば、藤崎さんとヨリを戻すとか……

最後だから、こんなディナーを用意したなんて言われたら、一生ココには来れないな…

ネガティブなことばかり考えてしまう、弱虫な私

樹さんは、そんな表情が変わる私を優しく微笑みながら見守ってくれている

やっぱり……違うよね……

席に着き、スマートに飲み物を選ぶ樹さん

私はこんなハイグレードなレストランは初めてなんですが、樹さんは慣れているようで……

私は全て彼にお任せするしかなかった
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