breath
その後、少しはインターバルを取るけれど、私達はずっと求め合うように身体を重ねた

彼の滑りの良い肌の感触は気持ちよく、繋がっていなくても触れているだけで幸せな気分になる

この数週間の禁欲生活のせい?

それとも、お互いの気持ちがやっと実ったから?

答えは、たぶん……両方だとは思う


この時の私は【絶頂】にいた

心も身体も満たされて……

でも、心の渇きには限界がなく

もっと、もっと……樹さんが欲し

そして求める

私と樹さんの関係が完璧な形になるまで

この先、藤崎さんが私達の関係に微塵たりとも入れない隙間が無くなるまで

私は強引でも彼の側にいる

そう覚悟を決めた瞬間

彼のいない一人ぼっちの禁欲生活がそうさせたのか?

それとも私の中に存在する、狡くて汚い心の女のサガがそうさせるのか?

ーーー理由なんてどうでも良かった

私の大切な人である樹さんを独占する……

ただ、それだけしか考えていない
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