breath
軽く近況を話し終えると、彼女は家族と来ていたので、すぐ去って行ってしまった

彼女達の後姿を見ながら

「話して良かったんですか?」

と聞くと

「別に隠す必要はないよ。来年の今頃は高宮明日美になっているんだし」

樹さんの言葉に納得してしまう私

樹さんとの結婚が現実に近づいているのがわかり、嬉しく思う

「フフフ……そうですね」

思わず笑みが漏れてくる


それから20分ぐらい並んでお参りをする

真冬の朝で気温は寒いのに、樹さんの繋いでくれている手が暖かい

『今年1年家族みんなが健康で、この幸せがいつまでも続きますように……』

とお参りした

『樹さんは何お願いしたの?』

尋ねるけど、笑って誤魔化された

もしかしたら私と一緒?ーーー何て思ってしまう

そう思える私は単純なのかもしれない

お参り後、幸せなオーラ満載で私の実家に向かう

もちろん手を繋いで

その時は幸せ過ぎて堪らない私だった
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