breath
高宮常務はクスッと笑って、

「未来の娘になるから、入社当時からずっチェックしていたよ」

えっ……私と樹さんの結婚は、私だけが知らない訳で、常務も知っていたんだ……

でも私の事は認めていてくれる。それだけで嬉しく思う

「そうなんですか……」

「未来の娘が受付嬢なんて、鼻が高いよ。受付嬢は、その年入社の一番に綺麗どころが指名されるのだから」

ニコニコしながら言う常務。会社で言ったらセクハラだけど、私の事を褒めてくれるのは嬉しい

「あなた、その発言セクハラよー」

お母様が突っ込んだ

「わかってるよ。会社では絶対言わないよ」

笑いながらかわす常務。こんなやり取りは慣れているみたい

この二人は、きっと仲が良いのだろう

私も樹さんとこんな夫婦になれたらいいな……って思ってしまう

「明日美ちゃん、手伝ってー」

キッチンからお母様の声が聞こえる

キッチンに向かうとお母様が、お酒の用意をしていた
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