breath
常務の溜息が聞こえ

「君はもっと賢い人だと思っていたのは私の思い違いか?君が持って来ている証拠は【妊娠】をしている証拠であって、樹の子供……私の孫である証拠を持って来いという事だ」

常務がそう言ってから、

沈黙が続く

「ーーーそれが無いと君の言っている事は信用できない」

「ーーーはい……」

「費用はこちらで負担しよう。君も知っているが私は忙しい。正月が終わるとアメリカに帰るので君の相手はできない。私に変わり代理人の弁護士に任せる。それでいいだろうか?」

「いえ、樹さんと話し合います」


「それは許さん」

常務の怒鳴り声が聞こえる

「我が家の代理人が弁護士になるということだ。これからは樹との接触も認められない」

と言い、どこかに電話をしている

電話が終わった後

「私は被害者なんですよ。なぜ私の言うことを聞いてくれないのですか?」

涙声の藤崎さんの声が聞こえる
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