breath

目を覚ますと、白い天井が見える

私を心配そうに覗くのは
細い面長の顔で銀縁のメガネ。目は切れ長で、いかにも仕事ができそうなイケメン
同じ会社の、営業の高宮主任

「ごめんね。助けられなくて」

申し訳なさそうに言うけど、なぜそう言われるのか意味がわからない
同じ会社といっても、私は受付で彼は営業。全くといって接触はないし、話もしたことはない。なぜ彼がここにいるのかも理解できない状態だ

「私どうしたんですか？」

ありきたりだけど、現状がどうなっているのかわからないのでとりあえず聞いてみた

「ひったくりに遭遇し倒れて全身を打ち脳しんとうを起こし、救急車でここに運ばれた」
「あ………そういえば、そうだったのかもしれない」

目を閉じて、起こったことを復習