breath
昼休み後、私は資料作成をしていた

内容は会社の機密事項

経営に関わる話で、素人の私が見ても良い内容ではない

たぶん階下にいる人と私が接触し、油断して話してしまえば大変な事になるのがわかる

そして、口伝いにマスコミにでも情報が漏れれば株価にも影響してしまう

だから隔離されているのは納得できる

樹さんと藤崎さんはこの階の下にいるはず

会う事はないけれど……樹さんには会いたい

少しだけでも顔が見たいと思っている

ただ……許されないのは重々承知だ

そんな事を考えながら、パソコンとにらめっこしている


専務が部屋に戻り

「コーヒー二つ」

私に命じる。来客でもあるのかしら……と思いながら給湯室に向う

コーヒーを二つ入れ、部屋に戻ると誰もいない。このコーヒーは誰が飲むのだろう?

そう思いながら、来客用の机にコーヒーを出すと

「望月さん、ここに座って」

ソファーに座るように促される
< 301 / 657 >

この作品をシェア

pagetop