breath

仕事が原因ではないとはいえ、樹君と同じ職場というのは娘にとっては拷問ともいえます。籍を置いておく事で業務も差し支えるでしょうし、これ以上ご迷惑はかけられない」

父が言っている事は正論で、何も言う事はできない……諦めるしかない

専務は私の目を真っ直ぐ見て、私に質問を投げかけた

「望月さん、貴方は仕事を続けたいですか？それともお父さんの言うように退職したいですか？」

ーーー専務は……私の心を見透かすしている……不謹慎にもドキッとした私がいる

「私は……仕事を辞めたくない……です……。でも、辞めなければいけない事も……理解しています……」

私は泣きたい気持ちを押し殺しながら、自分の気持ちを伝える

専務を私の気持ちを聞きニヤリと笑いながら

「この件に関しましては私に任してくれませんか？別に今急いで退職を決めなくてもいい。そして、今は秘書業務の研修中なので休んでも業務に迷惑はかからない」