breath
朝7時30分

マンションの駐車場

専務の車の前で、スマホをいじりながら社長を待つ

待つ事1分

「おはよう」

といつもの爽やかな声が聞こえる。社長の声だ。

「おはようございます」

車のキーが開けられると、いつものように助手席に乗り込む私

社長は運転席に乗り、エンジンをかける

自宅マンションから会社まで車で10分

私達のこのドライブタイムは、1日の予定確認の時間に使っている

今、私達が勤めている加藤電器株式会社は債務超過に陥り、いつ倒産してもおかしくない状態

今年の4月から本社の社長は、瀕死のアメリカ支社をV字回復させ売却まで持って行った実績が買われた高宮常務、樹さんのお父様が社長になった

今まで社長だった加藤社長の父は会長に退いている

現在の加藤社長の急務は私達が勤務しているこの洗濯機を製造販売している子会社を売却するかどうかを決めること

専務が社長に就任してからヒット商品を作りだす事ができ、この会社は昨年度赤字から脱却をする事ができた
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