breath
私は高宮家からは切り捨てられている……そう考えれば、二年前の出来事の後のことも理解できるし、つじつまも合う

私は病気になってから感情をあまり表に出さなくなった。

そして物事をドライに捉えるようにしている

心にダメージを受けないように、受けないように……自分に鎧を纏う

そうやって、この二年間自分を守ってきた

そのお陰で病気も再発することもなく、何とか今までやってきている

だから……

今回も、それで乗り切ろう

樹さんと私は他人……そう思い込んで生きて行こう……

「ーーー社長……っ私……大丈夫です……お気になさらないで……下さい……」

私は泣かないように、必死に押し寄せる感情を堪えながら気持ちを伝える

ちょうど信号待ちで車が停車した

社長は私の方を向き左手で私の頭を撫でる

「俺がずっと明日美の側にいるから……守るから……それだけは信じて」

小さな声で呟いた

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