breath
微妙な空気が流れる中、私は上座の社長の隣に座る

私は二年ぶりに見る樹さんをじっくり見てしまう

やはり彼の姿を見るとドキドキしてしまう……やはり……今でも彼の事が好きなのかもしれない……

ーーーでも……彼は……そう考えると、現実に引き戻される

「社宅の事なんだけど。母が本家のマンションがここにあるから、そこにしろって言うんだ。父親の件があるからセキュリティーがしっかりしたとこにしないといけないとかで……」

それって……今、私が住んでいる所だよね……

「そこ、今使っているから無理」

なぜか笑顔で返事をする社長

「明日美が住んでいるし」

えっーーここで暴露しますか?

チラっと樹さんの方を見ると、視線が合う。

私に呆れている?表情にも見える……会社内では【社長の愛人】と言われているし…

「そっか……ここ田舎だから、なかなかセキュリティー面で良い物件が無くってね……」
< 348 / 657 >

この作品をシェア

pagetop