breath
「仕事は……大丈夫なんですか……?」

涙が一段落した時、気になるのは社長が無理してここに駆けつけた事だった

社長のスケジュールは仕事柄、全て把握しているので彼が無理している事は十分わかる

本当にいつもいつも申し訳ない……

「大丈夫だ。今日の予定はほとんど終わっているから」

フッと余裕の笑みを見せる

「それより樹と何があった?」

いつも、私に気遣ってくれている社長に隠し事をするなんて絶対にできない

私は今日の事を全て話した

「ーーー取りあえず、樹から真実を聞くしかないだろう。今から部屋に戻って聞くけど明日美も一緒に聞くか?」

私は首を横に振る

本当は一緒に聞けば良いのはわかるけど、心が拒否反応を起こしている

「わかった。夜遅くなるけど、報告しにくるから」

そう言い私の頭をポンポンと叩き、優しく私に微笑む社長

私はこの二年間、本当に社長に守られている

私はこの恩をいつか返す事は出来る事ができるのだろうか?
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