breath
心地よい樹さんの胸の温もり

私の居場所はここで良い?

ーーーいたいと思う。他の人に渡したいとは思わない……

ご両親の件はさすがに気になる

でも、前回みたいに嫌がらせをされたとしても、もうこれ以上堕ちる事はないか……

堕ちようがないかもしれない……

私は顔を上げ樹さんの顔を見上げると、優しい表情で私を見守ってる

樹さんの心臓の鼓動が早くなっているのが聞こえる

私は……二年前の私に戻って……良いかな……

「樹さん……ずっと側にいて良いですか?」

って聞く。どういう答えが返ってくるかわかっているのに、改めて聞いてみる

「ずっと、側にいて……お願い……」

想定通りの答えが返ってきたので

「お願いいたします」

と自分の言葉を伝えると、私に巻き付いていた腕の力が強まった

そして、おでこにキスをする

「ありがとう。明日美……」

そう言った彼はとても嬉しそうだけど、泣いていた
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