breath
「再会してから全く笑ってなかった」

っていう樹さん。言われてみれば、そうなのかもしれない

「全然気づかなかったです」

樹さんは私の頭を撫でて

「明日美の笑っている姿が一番好きなんだ」

そう言い、私のおでこに軽くキスをする

私に向かってクシャって顔を歪めた笑顔をする樹さん

「やっと戻って来てくれた。ありがとう」

私の耳元でそっと囁く

その儚い声でゾクッと感じてしまい、肩がビクッと動いてしまった

クククッ……って笑う樹さんにつられて私も笑ってしまう

「今の明日美は二年前と何も変わらないよ。病気の事で卑屈になる事も、俺や実家に遠慮しなくていい。俺がずっと側にいるよ……」

「私、そんなに変わっていました?」

その問いに大笑い、私の眉間に人差し指をつける

「ずっと、俺に会う時眉間に皺を寄せてるんだよ。明日美、気付いてた?」

「えー知らなかったです」

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