breath
14
次の日の朝

眼が覚めると、頭の上には樹さんの顔があり、寝息の音が聞こえる

「何もなかったんだ……」

そうボソッと呟く

もしかしたら期待してた?

病気になったからっていって性欲が衰えたわけではなく『やりたい!』って思う私

不純だけど……

樹さんの顔を見ると、端正な顔立ち

婚約者じゃなくても、側にいるだけでもドキドキする

「私、欲求不満なのかな……」

樹さんの顔を眺めながら、思わず言葉が出た

ーーーたぶん……本心……

私は樹さんの顔をそっと触る

頬、唇……人差し指でなぞる………

キスしたい……

私はそっと彼の唇に私の唇を微かに当てる

触れるだけの軽いキス

二年ぶり……

最後にしたのも樹さんで、いつだったか、思い出していると……

樹さんの唇が……私の唇に押し当ててくる

「ーーーんっ……」

吐息が漏れる

樹さんの舌が激しく私の唇をこじ開け侵入してくる

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