breath
一瞬、何が起きたのかわからなかった

だって樹さん寝ていたと思っていたし……

唇が離れ、樹さんがいつもの優しい微笑みをしながら

「明日美、おはよう」

って挨拶をする

「おっ、おはようございます」

慌てて挨拶のお返しをするけど、いつもの冷静さがない

どうした?私……?

樹さんは私の頭を軽くポンポンと叩き

「明日美、可愛すぎ……」

フフフッって笑いながら言う

もしかして、私からキスしたのバレてた……ってことですよね……

「樹さん起きてたんですか?」

「明日美のキスで起こされた」

嬉しそうに言う、その顔が可愛く思い、胸がキュンとする

「ごめんなさい」

って言うと、樹さんは首を横に振り

「何で謝るの?俺、嬉しかったのに」

本当に嬉しそうになので、事実だと確信するけど……私はどうしたら良いのだろうか?って思ってしまう

「樹さん……」

樹さんの瞳を見つめながら名前を呼ぶ。
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