breath
今日は社長の夕食を作る日

和食の予定だ

買い物をしようと車から出ようとドアに手をかけた時、樹さんに右腕を掴まれる

「どうしたんですか?樹さん」

何事もなかったように、引きつった笑顔で聞くと

「明日美、大丈夫?」

って心配している表情を見せる樹さん

「大丈夫ですよ」

って強がる私

樹さんはポンポンと軽く私の頭を叩き、抱き寄せる

「ーーー大丈夫じゃないだろう?」

樹さんは儚い声で、そう呟く

最近の樹さんは、私の病気のせい?それとも罪を償うためなのかわからいけど、私に気を使って寄り添ってくれる

同情?とも思えるその行為に、心苦しく思う

「もし私に負い目があるのなら、気にしないで切り捨ててくれて良いですよ。私は大丈夫ですから……」

泣きそう

今、ここで切り捨てられたら私は立っていられないかもしれない……

そんな弱い女なのに、口からは正反対の言葉が出る
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