breath
私は彼にされるがままに彼を受け入れる

「明日美、不安なのはわかるけど俺を信じて……」

儚い声で耳元でそう囁く樹さん

私の身体に自分を刻み込もうとしている

再会してから回数を追うごとに、樹さんの私に対する執着が激しくなっているのがわかる

今日は私のいたる所に印をつけている

目を瞑っていても貴方の口唇から感じる微かな痛みで、行為を感じる

私は本当に貴方のものなのですか……?

たぶん、前田さんがあんな事を言わなければ、こんなにも不安にはならなかった

もしかして……アメリカにいたとき【そういう関係】だったから、前田さんはあんな事を言った?

そんな猜疑心が私の中に生まれる

私の身体を堪能している樹さんに

「この2年間、誰かを抱きましたか?」

樹さんの手がピタッと止まり、私を見下ろす体制になる

樹さんはクスッと笑い

「気になる?」

と聞くのでコクリと頷いた
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