breath
「外国に行っていた時、誰も抱いていない。明日美の写真を見て一人でやった事はあったけど」

樹さんは、いつもの優しい微笑みでそう言う

ホッとしたのか、胸が痛い

きっと緊張感のせいだろう

そんな私の緩んだ表情を見たのか

「もしかして、明日美嫉妬した?」

ーーー事実だから首を縦に振りたかったけど、変なプライドがそれを許さない

反対に首を横に振った

「俺、本当には嬉しかった。明日美にそんな質問をされて」

「えっ・・・」

正直そんな事を言われるとは思わなかった

「俺の事を気にしてくれているだろう?俺は明日美の中全てを俺でいっぱいにしたい」

「ーーーーはい・・・・」

意味もわからず返事をしてしまう私

しまった・・・って思うのは、返事をした後だった

その返事で樹さんのスイッチを入れたらしく、中断されていた行為の続きが再開される

樹さんは、いつもより感情豊かに私を抱いた
< 428 / 657 >

この作品をシェア

pagetop