breath
人事部長は所属長と一緒に会議室に来るように電話の向こうの人に伝えている
先生は警察の人と話をしている
蚊帳の外にいるような私と課長
課長はともかくとして、当事者の私は腑に落ちないというか私の車ではないので仕方がない
事故にあった車の所有者は樹さんで不在の樹さんの代理を先生がやっている。私いらないか・・・
警察の人は帰り部長と先生は部屋の外に出て行き打ち合わせをしている
警備室に取り残された課長と私
課長の方をチラッと見ると険しい表情をして私を睨み舌打ちをする
「余計な事をしやがって」
課長が私の耳元で囁く
その声に恐怖を覚える
しばらくして部長と先生が戻って来て私はもう帰っても良いとの事
先生が名刺を私に差し出し 
「弁護士の岸田です。よろしくお願いいたします」
「お世話になりありがとうございます」
「樹くんがベタボレなのもわかるよ。こんなに可愛いんだから」
笑顔でイケメンにお世辞を言われるだけでポッと顔が赤くなる
「取りあえず、車まで行きましょう」
私は課長に会釈をして部屋を出た
「たぶんお気づきかと思いますがこの会社の案件を取り扱っていますので実状は承知しております。何か困った事がありましたら些細な事でも構いません。ご相談下さい」
営業スマイルで岸田先生はそう言い車の事は高宮と加害者の問題なので一切関わらないようにと釘を刺された
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