breath
「私はそんな噂を流してなんかいません」
「そんな事はわかっている。加藤社長が側に置くんだ。それなりに信用がないと二年もの長い期間置かないだろう」
それなりにね・・・・これは褒め言葉なのだろうか?
辛口の人事部長のお言葉、取りあえずありがたく受け取っておこう
「犯人は高宮課長のパソコンから情報を盗んだ」
「勘の良い望月さんの事だ。君の想像通りだ」
情報漏洩が樹さんの車の傷をつけた事とどう関係あるのだろうか?
例え犯人が一緒だったとしてもどう考えても結びつけるのは私的には難しい
「望月さん、有給休暇は残っているよね?」
「社長が戻るまで有給を取ってくれないか。変な事に巻き込まれても困るので」
「変な事ですか?」
「会社が外資系に売却された場合厳しいリストラが待っている。望月さんは本社に帰れるだろうがここの職員のほとんどは残れない可能性が高い。そんな噂が流れている」
私が本社に戻れる。そんな話は初耳だ
「高宮社長からも頼まれている。君が標的に合わないように守ってくれと」
「高宮社長がですか?」
ここで、意外な名前が出てきて驚いてしまう
だって私は樹さんのお父様に嫌われていると思っていたから
「何を驚いている?」
「社長が私の事を気にかけていたなんて、思ってもいなかったので」
「社長は望月さんの事が気になって頻繁に私に電話をしてあなたの様子を聞いてきますよ」
「そうなんですか」
どう答えて良いかわからず、取りあえず相槌だけを打つ
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