breath
お風呂の湯舟に浸かって血行が良くなり肌がほんのりピンクに染まる
一人でいた時はやる気が起こらずシャワーを浴びるだけで精一杯
お礼を言った私と樹さんの視線が会う
樹さんの顔も赤くなっている
「可愛すぎ・・・」
私の首筋に軽くキスをする
彼のその行為に固まる私
もしかしたらまだ幻滅されていない?
でもこの私の惨めな現状ではその先をせがむ事はできない
「元気になったらもう我慢しないから覚悟しておいてね」
背後から私を抱きしめる
私はドキドキしながら
「こんな私嫌いにならないんですか?」
俯きながら見ないようにしながら聞くと 
「何で?」
「明日美は会社の被害者になっているだけで何も悪くない。こんな細い身体で攻撃を一人で受け止めている。体調を崩すなんて仕方がない事だ」

そんな樹さんの言葉を聞いてホロリと涙が浮かぶ
「早く元気になって結婚しようね」
樹さんは私の顔の横に近づき私の目を見つめ優しい笑顔を浮かべ
「返事は?」
今、答えないといけないんですか?
突然のプロポーズで焦っています
「はっ、はい」
樹さんは背後からギュッと私を抱きしめる
その後は私がのぼせそうになったので速攻でお風呂を出たのでその話は終わってしまう
寝る時も私の側を離れない樹さん
腕枕をしてくれてギュッって抱きしめてくれる
樹さんと身体が密接に触れ彼の体温を直に感じる
彼の心臓の音が耳元に届き安心を感じる
久しぶりの安らぎ
この数日間は地獄だったから
この日は睡眠薬が無くても眠ることができた
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